建築士としての断熱材選び。ウールブレスを採用した理由

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こんにちは。

建築士として日々リフォームに携わっている中で、最近よく悩むのが「断熱材選び」です

独立して、ありがたいことにたくさんのお客さまにお声をかけていただき、気づけばもう2年半。
長いようで短い月日でした。

もちろん性能の良い断熱材を選ぶことは大切ですが、種類が多すぎて「何を使うのがベストなのか」本当に悩みますよね(汗)

以前勤めていた会社では、リフォームで「裸の断熱材・高性能グラスウール16K」を採用していました。
壁の中にぎっしり入れて、防湿層で密閉してあげると断熱性・気密性ともに茨城県内であれば十分
冬は暖かく、夏は涼しい空間がつくれます。

ただ、独立してから大工さんの手伝いをする機会が増え、改めて感じたことが…。
「チクチクして痛い!」
そう、大工さんたちも「グラスウールはできればやりたくない」とのこと、、、

しかも、気管支が弱い自分も咳が止まらなくなるんです(汗)

もちろん、施工後は壁の中なので問題はないし、性能的にも申し分ないので

“職人さんと自分の寿命を延ばすためにも”

できれば、もう少し優しい断熱材を使いたいと思いました(笑)

そして、断熱材について改めて調べてみました

グラスウール
ガラスを繊維状にしたマットタイプ。断熱性も悪くなく、耐火性に優れ、コスパも良い。

ロックウール
溶かした玄武岩などを繊維状にしたもの。吸音性・耐火性に優れ、防音室などにも使用。ただし少し値段が高め。

セルロースファイバー
新聞紙などのリサイクル資源から作られた自然素材系。調湿・防音・断熱に優れ、エコ志向の方に人気。ただし価格はやや高い。

発泡プラスチック系(ポリスチレンフォーム・ウレタンフォーム・フェノールフォーム)
高断熱・高気密・高耐火性能を持ち、高級な断熱材。性能は抜群だがコストが非常に高い。

天然素材系(羊毛・コルク・木質繊維ボード)
環境負荷が少なく、自然素材ならではの断熱性と調湿性。リフォームにも相性が良い。


こうしていろいろ調べてみて、今回ピンときたのが「羊毛ウール断熱材」。

リフォームにとって、これほど相性の良い素材はないのでは…と思ってしまいました
特に魅力的なのが 調湿性

昔の建物は隙間が多く、断熱材も袋入りグラスウール5cmが主流で
壁の中で結露が起きてグラスウールが濡れ、カビ、水分の重みで断熱材が下がり断熱欠損が起きるのです。

そこで、調湿性がありチクチクしないウール断熱材なら、理想的なリフォーム断熱ができる!と感じました。


目指す断熱等級と性能

今は新築でもZEH(断熱等級5)が主流になりつつありますが、コストが高く、お客様の要望がなければ実現が難しいのが現実。
せめてリフォームでも「省エネ基準の断熱等級4」はクリアしたいところ

ウールブレスの熱抵抗値を見て

  • 天井200mm(熱抵抗4.6>4.0)

  • 壁100mm(熱抵抗2.5>2.2)

  • 床100mm(熱抵抗2.5>2.2)

この仕様であれば十分に基準を満たせそうです。


今後のSECOND LIFEの標準断熱材

というわけで、今後のSECOND LIFEの断熱標準材料が決まりました。

株式会社アイティエヌジャパン「ウールブレス」

こちらを採用します!

施工側のメリットだけでなく、
お客さまにも多くのメリットがあります。

  • 壁の中で調湿してくれる

  • 優れた断熱性

  • 吸音性・難燃性がある

  • 再リフォーム時にも再利用可能

  • 自然素材で安心

デメリットは少しコストが高いことぐらい。
でも、それ以上にメリットの方が大きいと思いました。

以上を考えて、今回ウールブレスを採用です


いつも読んでいただき、本当にありがとうございます。
SECOND LIFEは、安心して任せていただけるリフォームを目指して、
これからも工事の様子や暮らしに役立つことを、少しずつお届けしていきます。

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